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Hirokazu Takayama
【門田鰹節本店の花かつお】
前段のおいしいコシヒカリを食べ始め、この美味しいご飯の風味を損なうことなく
目一杯、堪能できるおかずは無いものか???
そんな疑問を我が師匠・食通の川津祐介さんに尋ねてみました。
「おかずもなるべくシンプル!!
塩だけか
味噌だけか
或いは
しょうゆ漬けの山椒、唐辛子だけの佃煮
に限ると思います」
更に川津さんはこうもおっしゃいます。
「日本の鰹節文化は今、風前の灯なのです。
ダシノモトの方が安いし早いし旨いと感じている人が
圧倒的に多くなってきているのです。
何を隠そう
我が家も同じ傾向に侵食されつつあります。
鰹節は
実は、作るのに信じられないくらい手間が掛かるのです。
取って来た鰹を三枚におろして、茹でて、干して、いぶして
カビをつけて・・・・・・、
そのカビを上手に育てないと美味しくならない・・・・!
しかも、
カビをつける・・・・と聞くと、
それだけで若い人は逃げ出してしまうのです。
日本の田畑から
正常なバランスを保つ力があるバクテリア群が姿を消してしまったように、
いま、鰹につけるカビも用無しにされ、捨てられようとしています。
一旦、このカビが捨てられてしまったら、
大自然の中からこのカビを見つけ出すのはもう、不可能に近いと思います。
この文化を残すには、心ある人が鰹節を買い支えるしかないと
私は考えています」
そして僕は、そのお薦めの鰹節を食べてみました。
旨いです。出汁に精通していない素人の僕でさえ、その違いがわかりました。
高知の、しかも創業100年・老舗の鰹節ですから当然と言えば、当然なのですが、
たしかに旨いです。
そして、この門田鰹節本店のお薦めは【かつおの角煮(激辛)】!!
これまた旨すぎ!!!完全にはまります。
僕はこれがあるとご飯を五膳くらいいってしまいますので、今は注文をお休みしています。
体重を戻してからのお楽しみです。
このかつおの角煮(激辛)は川津祐介さんのレシピに基づくものだそうですが、
川津さんのエッセイを読むと、食べずにはいられなくなります。
そのオリジナルデータをいただきましたので、下記に転載させていただきます。
【花かつお】¥500
【激辛かつお角煮】¥600
【とんとん鰹味噌】¥600
(送料別途)
製造お取り扱い/門田鰹節本店
高知県高知市帯屋町大橋通り2-1-19
TEL:088-872-0288 FAX:088-872-0289
注文は電話、FAX、下記Siteから。
参考URL:
http://www.tataki.co.jp/
激辛のかつお角煮
川津 祐介 (Copyright:Yusuke Kawazu)
さあ、今日は気合を入れて夕食を締めるぞ!
そう思った日は手抜きをしない。
最後の一膳を茶碗によそう前に、まず鉄瓶で湯をシュンシュンに沸かす。
とっておきの煎茶をたっぷり土鍋で煎る。
ほうじ茶の香りが部屋一杯になったら、うす煙を上げている茶葉をさっと急須に投げ込み、
鉄瓶を急激に傾けて、一気に湯を注ぎ込む。
「じゅうん!」という音が耳に快い。
もう充分にご飯を食べているのに、おなかがグーッと鳴る。
それからおもむろに茶碗に半膳ほどご飯を盛る。激辛のかつお角煮を乗せる。
ほうじ茶を注ぐ。
ちょっとだけ蒸らしてから・・・と自分に言い聞かせて、皿で蓋をする。
しかし、言葉とは裏腹に待ちきれなくて、皿を外し、ハフハフ言いながら茶漬けを掻っ込む。
この茶漬けを一膳で終わるのはとても難しい。
「さっきはちょっと軽めだったし・・・、」とか、
「二膳目は、ほうじ茶の香りがしっかり出ているからな・・」とか、
「唐辛子が効いているから消化は良い筈だ」とか、言い訳が次々に出てくるからだ。
この茶漬けで夕食を締められた日は身体がすこぶる機嫌良い。
全身が温まり、血行が良くなったのが感じられる。
何を隠そう。この「門田の激辛かつお角煮」は川津祐介のレシピで作ってもらっているのだ。
私は心臓に問題を抱えているので、塩分制限がある。
それなのに何故、佃煮でお茶漬けなのか?!・・・答えは簡単!
唐辛子が利いているから少量の佃煮で済むのだ。
初めは市販の角煮を自分で煮直して作っていた。
しかし、良いかつおでないと美味しい佃煮は出来ない。
そこで、かつおを吟味して入手することが出来る鰹節屋さんに造って貰うと言う作戦に出たのだ。
これは当たった。
食べなれないとハーブの香りが気になるかもしれない。
しかしこのハーブ、肝臓・腎臓の機能を上げると言われている薬草なのだ
。
このハーブの効果を取り入れながらその癖を美味しさに昇華した技術に感服してしまう。
この味覚に惹かれて病み付きになってしまった人を私は沢山知っている。
これを食べ始めたら、何故か更年期障害が消えてしまったから・・、と食べ続けている人も居る。
冷蔵庫にこれが入っていないと不安になるという人までいるのもうなづける。
なんだか宣伝のようになってしまったので筆を擱く。
いつまでも、この味を守り続けて頂きたいと願うばかりだ。